おもちゃを選んでいる際、STマークやCEマークを見たことありませんか?
そのマークや意味について詳しく解説したいと思います!
※STマークやCEマークがついていないということはどういうことなのか、わかる内容になっています。
・おもちゃに付いているマークの意味や目的がわかる
・おもちゃに付いているマークを理解して、おもちゃ選びの基準にすることができる
おもちゃについていて安心なマーク 「STマーク」
STマーク (Safety Toy/安全玩具)
おもちゃは楽しく、面白く、丈夫で、安全で、しかも心身の成長に役立つものでなければなりません。中でも、安全であることは特に重要なことです。
我が国で販売されるおもちゃの安全性を高めるために、玩具業界は、昭和46年(1971年)に、玩具安全基準(ST基準)を策定し、玩具安全マーク(STマーク)制度を創設しました。
ST基準は、玩具の安全基準で、機械的安全性、可燃安全性、化学的安全性からなっています。STマークは、第三者検査機関によるST基準適合検査に合格したおもちゃに付けることができるマークです。STマークの付いている玩具は、「安全面について注意深く作られたおもちゃ」と業界が推奨するものです。
STマークをつけるための検査について
このSTマークをつけるためには様々な検査を行っています。
①機械的および物理的特性の検査
おもちゃの形状や強度に関する検査ですが、乳幼児の誤飲防止のための検査もこちらに含まれています。
ほかには転倒や切創などの危険性がないか調べています。
②可燃性の検査
子どもが身につけるおもちゃについて、燃えやすい材料が使われていないかを調べています。
白熱電球などに近づけただけで燃えるなんて怖いですものね。
③化学的特性の検査
おもちゃの材料に、人体に有害な物質が使われていないかを調べています。
参考:鉛や塩化ビニル樹脂でのフタル酸
赤ちゃんや子どもが舐めたり、口に入れて問題ない材質・塗料か否か。
☆STマークのポイント
3つの検査にクリアかつ玩具安全基準に適合したおもちゃにはSTマークが表示できるので、STマークのついているおもちゃは安心してご使用できます。
※令和6年6月、消費生活用製品安全法の一部を改正する法律が公布されたため、今までよりマーク表示義務が加速する予想です。
おもちゃについていて安心なマーク 「CEマーク」
CEマーク
CEマークを表示した製品は、EU加盟国共通の安全基準をクリアしています。
この表示によりEU加盟国間での製品の流通が円滑になっており、CEマーク表示は強制で、違反発覚時には罰則があります。
おもちゃに関する安全基準は EN71 ですが、その安全要求に合致した場合にのみ、製造者はCEマークを製品につけることが許されます。
安全基準EN71について
玩具の安全性
第1部 力学的および物理的特性(誤飲リスク、耐久性、引火テストなど)
第2部 耐燃性
第3部 特定成分(元素)の移動 (舐めたりしたとき有害な物質が身体に移動しないか)
といった内容が含まれ、おもちゃの大きさや形、塗装、強度などについて、細かく決められています。
シュピールグート(オレンジ)マーク
ドイツの「子供の遊びと玩具」審議会(1954年~)が良い玩具と認定し、推奨するものだけに許可したマークです。
オレンジマークとも呼ばれています。
シュピールグートマークの審査について
「子供の遊びと玩具」審議会がこどもの年齢と発育段階、想像力、周囲の世界を体験すること、遊びのバリエーション、素材と加工、デザイン・形と色、大きさと重さ、数と量、構造と仕掛け、耐久性、安全性、環境へのアセスメント、値段など合計13種類の評価項目により審査、テストを実施し、認定しているものです。
この審議会は、こどもとその遊びに関する、すべての専門領域の人たちによって構成されています。
教育学や心理学、社会学、精神療法、医学、デザイン、建築、情報学などの専門家たちの集団です。
※この判定には玩具産業関係者は一切参加できない厳格さがあります。
そのほかのマーク
今まで紹介した安全基準のマークではありませんが、他にもマークが存在していますので紹介していきます。
キッズデザインマーク
このマークは、特定非営利活動法人キッズデザイン協議会が主催する、子どもの安全・安心と健やかな成長発達に役立つ優れた製品・サービスなどを顕彰する「キッズデザイン賞」を受賞した製品・サービスなどに付けられています。
審査のポイント
●子どもの身体特性、行動特性に基づく安全・安心への配慮が施されている。また、子どもを含めた一般向けの製品、施設、サービスであっても、接触する可能性がある子どもの安全に配慮されている。
●技術、素材等の優れた応用・活用により子どもの安全・安心への配慮が施されている。
●事故につながる可能性がある子どもならではの行為や行動が事前に察知でき、たとえ事故がおこっても重篤な状況にならない危険回避能力を身につける提案や仕組みが入っている。
●単一の商品やサービスに限らず、個別の機能・性能を組み合わせ、集約し、統合的に子どもの安全・安心の品質を高めている。
●犯罪や暴力、災害などから子どもたちを守る配慮が施されている。
●親(大人)の目の届かない場所での子どもの安全・安心を確保している
盲導犬マーク
おもちゃのバリアフリー「共遊玩具推進活動」
目の不自由な子どもも楽しむことができるよう配慮(手触りや音等への工夫)されたおもちゃには、「盲導犬マーク」が表示されています。
うさぎマーク
おもちゃのバリアフリー「共遊玩具推進活動」
耳の不自由な子どもも楽しむことができるよう配慮(光や振動などの要素で遊びを盛り上げる)されたおもちゃには、「うさぎマーク」が表示されています。
盲導犬・うさぎマークの認定プロセス
「共遊玩具ガイドライン」に基づいて、
①目や耳の不自由な子供も楽しめるよう「配慮」(工夫)が施されている
②目や耳の不自由な子供がその玩具の「意図された遊び」を理解し楽しめるかどうかを共遊玩具推進部会で審査しています。
活動を開始した1990年から現在までの間に、4200点以上の玩具を共遊玩具に認定し共遊玩具カタログに掲載しています。
STマークなどがついていないということは?
例えば、STマークがついているおもちゃは、「安全面について考慮されて作られたおもちゃ」と解釈できます。
対象年齢が低いSTマーク付きのおもちゃは、喉に詰まらない大きさであったり、部品が外れにくい、鋭利な部分がないなど、安全性を考慮した設計になっています。
そのSTマークが無いというのは、前述であげた配慮や考慮が検討されていない、ということですので慎重に選んでいただいたほうがいいと考えられます。(STマークは無いがCEマークがついているおもちゃはSTマーク同様に安全基準に則り、作られているので安心してください)
小さな子どもは口に入れることもあるので、STマーク等のマーク有無は気を付けておきたい点ですね。
おもちゃのマークまとめ
おもちゃについているマークについて知ることができたでしょうか?
STやCEマークがついているかどうかを見ることで、おもちゃ選びの基準が出来たのではないでしょうか。
あまりに安すぎるおもちゃにはマークがついていなかったりするのは、それなりの理由があります。
小さい子どもを持つ家庭において、安全基準を設けたマークは必要だと思いますので、是非おもちゃ選びの参考にしてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
おもちゃのマークという視点から、おもちゃ選びの基準を今回紹介しましたが、おもちゃの選び方には「知育」「知育玩具」といった別の視点・キーワードもあると思います。
その視点・キーワードからのおもちゃの選び方という記事もありますので是非参考にしてみてください。